腹が立つ・・・・
階段を駆け上がって甲板の様子は――――――――最悪
セーラー服を着た男たちが乗客を次から次へと襲っていた
「チッ。行くぞコンラッド!!」
「はいっ!」
俺はこの世界では久しぶりな愛刀を引き抜いた
―なのでカの発動と共鳴―
ガキンッ
剣と剣が咬み合う絶妙な音が辺りに響きあう
それでもやはり倒されて行くのは乗客で・・・・・・
「だぁっ!!これじゃきりねぇぞ!?」
ダンッと二人倒し終わった後にコンラッドに言う
「しょうがないですよ!何せこの人数じゃ・・・・・・っ」
あちらも一人倒して答えてきた
どちらとなく近づいてきて背中合わせになりながら会話を再開
「え〜てか〜俺もう面倒なんですけど・・・・みたいな手っ取り早くすまねぇの?」
「・・・・・・そうですね・・・じゃぁ試してみますか」
「うっ・・・・・うぇ?」
急に背中に気配が無くなったと思ったらコンラッドはまっすぐに白い三つ編みをしている
セーラー服に突っ込んでいった
「なっ!?・・・・あいつっ!」
後を追おうとしたが他のセーラーにいつの間にか包囲されている
次から襲ってくるセーラーで俺は近くにいけなかった
何やらもう殆ど俺達だけしか戦っていないようで大人数で襲ってきている
目の端でチラリッと見れば三つ編みセーラーをコンラッドが押しているようだった
「っ・・・・・!!!」
ダッ
「俺を殺せばこいつも殺す!!」
三つ編みセーラーが苦悩の表情を見せてあと少しだった時に
急に走り出してあいつは・・・・・・乗客を人質に取った
剣を首に突きつけられているのは女性で恐怖で顔は蒼白で涙を流している
俺はコンラッドの微妙な動きに目を細めて――――――叫んだ
「コンラッドッ命令だ!!武器を捨てろっ俺達の負けだ!!」
その言葉を聞いてコンラッドはピクッと反応して振り返った
その顔には苦笑いが浮かんでいた
その顔を見てホッとし俺は愛刀を地面に置く
カランッともう一つ音がしたのを聞いて俺達は大人しく捕まった
「って〜ゆ〜かぁ〜乗客が人質になっているのに動こうとするのはどうなんでしょーか?」
「・・・・・・・・・すみません」
「まぁ素直に謝るので今回は許すけど今度やったら・・・・・」
「やったら?」
「・・・・・・ユーリにバラす」
「それは怖い」
「おいそこ!静かにしろっ」
「へぇーい」
今俺達は一角に一つで集められて座っている
周りにはセーラーがうようようようよ・・・・・
「・・・・・それに貴方には・・・戦わせてしまった」
「は?何で誤るんだ?」
「・・・・・・・・・人を・・・・・・殺めさせてしまった」
などとコンラッドは少し辛い顔をして言って来た
ん〜っと・・・・
「俺、誰一人殺してねぇぜ?」
「え?!」
「俺の持っている愛剣は、まぁ地球産の日本刀って言うんだけど・・・・・」
丁度いい所に落ちていたナイフを拾い説明する
「俺の剣はこんな感じなんだよ、片方だけ刃が付いてんの。だから・・・・」
刃が付いている部分をひっくり返し持ちコンラッドの腕にトンっとつけた
「刃を逆にして相手を切れば服なんかは切れたとしても肉体は絶対に切れないんだよ
まぁ・・・打撲とかヒビとか折れたりはするけど、死なない訳サ★」
「・・・・」
ニッと笑って言えば、ぽかんっとした顔になっていた
「便利だし俺は好きだけど、そのかわりかなり重いし扱いにくい
地球では世界一殺傷力をもった剣だけどな」
「・・・・・・そうですか・・・・良かった」
少し微笑んでコンラッドはそういった
「あっ・・・・でも・・・「キャ―――――――――――ッ!!!」
大きな叫び声が聞こえ周りを見れば・・・・・その声だけじゃなく所々から
次々っと悲鳴が上がった
「ヒッ・・・・イッイヤァ!!放して!誰かっ誰か助けて―――――ッ!!」
「お姉ちゃ―――ん!」
「お父さんっお母さんっ」
「嫌だ――――!!助けてっ」
「ほらっささっと進め!」
「うるせぇ!泣き喚くなっ」
「な・・・・・・んだ・・・これ」
まるで人間を物の様に扱い己の思い道理に片付けていく
「・・・・・・・・・・」
「っ、ユーリ!ヴォルフラム!」
階段のほうを見れば二人の姿が見えた
どうやら捕まったらしい
「さぁさっ、ご婦人方はワシらの船で働いてもらうけんの
大丈夫。愛情こめて育てたお子さんらは高値で売っちゃるけんなー!
ほらそこ!ぐずぐずしない!キビキビ動く!
そんでもって男だが・・・・ワシしゃ男は好かーん!よって廃棄処分決定!船ごと燃やして火祭り前夜祭といこうかのー」
「そんな・・・私はまだ死にたくないっ」
助けを求めた紳士は殴られて倒された
子供達は泣き叫びながらも何処か虚ろな瞳をして海賊の船へと連れていかれて行く
女性達は手首を縛られながらその瞳に涙を溜めて船へと自分自身で歩いて行く
「おい!由緒正しき盗賊ってもんは金品戴いてトンズラだろッ」
「ワシら盗賊じゃなく海賊じゃけん」
「そういう事言ってんじゃねぇよ!」
ユーリの声が行き成り響いた
「キャー」
「お父様ー!」
「ベアトリスッ」
俺の目の前ではユーリと踊っていた・・・・女の子ベアトリスが髪を引っ張られ
帽子を被っている紳士が父親だろう、一人立ち上がって名前を呼んでいる
「お父様ー!!」
ドクンッ
「――――――――――ッが・・・あ!?」
「!?」
何だ何だ何だ何だ何だ
「・・・ヒュ―――ッ・・・ヒュ―――ッ」
「大丈夫ですかっ!?!」
苦しい
ドクンッ
苦しい
ドクンッ
「ッ!」
心臓が・・・・・
ドクンッ
肺が・・・・・・
ドクンッ
苦しい
苦しい
・・・・・・・・・・・・・・クルシイ?
周りの声・・・音・・・・全てなくなっていく
キィィィィイ―――――――――ン
耳鳴りが・・・・・す・・・・・る
近くに何か大きな力を感じる・・・感じている
懐かしく・・・・この脳に―――体に――――魂に刻み込まれている力
久しぶり・・・・・・
何が?・・・・・・・誰だ?
そこで俺の意識は途切れた
ドンッ
「力を持たぬ客船を襲い、壊し奪うの悪行三昧
血も涙もない盗人共テメェらなんざ人間じゃねぇ!」
大きな音と共に現れた姿はユーリであってユーリではない存在・・・・・
髪は長く靡いているその前髪から覗く瞳は強い光を放っていて黒が神々しい
何処か妖美な雰囲気を漂わせるその風格は―――――――――まさに魔王と呼ばれるものだった
「何だテメェは!?野郎共であえであぇ!!」
ヴォルフ、コンラッドは二人はいつの間にか近くに一緒に居て安全な所で傍観者を決め込んだ
「ユーリ・・・」
「とうとうあれが着たか・・・・」
「しかし人間の領域だ、魔族に従う粒子は極端に薄いはず・・・」
「あぁ・・・俺もそれが気がかりだが」
海賊達に囲まれながらも少しも怯みを見せずその瞳をユーリは真っ直ぐと見据えながら言う
「切った這った性分じゃねぇが今回ばかりは情け無用っ
テメェらまとめて冥府魔道に送ってやるッ!」
声を発した途端床に散らばっていた・・・骨や食べ残しが集まり山になっていった
そして姿を現した物体は大きな骸骨だった
「成敗ッ!」
「うわー!!」
「ギャーッ助けてくれー!」
そのバケモノとも言える物に海賊達は逃げ惑う
「うわぁ・・・・こんな悪趣味な魔術は初めてだ」
「うぷ・・・また気持ち悪くなってきたぁ」
ヴォルフラムはあまりの光景にコンラッドにもたれ掛かる
「ぉぃ〜・・・そういえばはどうした?」
「あぁ・・・なら」
っとコンラッドが何か言おうとしたと時・・・・・・・・・・
新しいユーリとはまた違う大きな魔力が辺りに充満した
クスッ
「やぁ、君が今度の魔王かい?」
フワリッとユーリの後ろから抱き着いて来た少年――――――・・・
その風もないのにフワフワとゆれる短い髪と面白そうに細められている瞳は見事な黒だ
ユーリの魔力にも当てられず優々っとして、顔は無邪気な笑顔が浮かんでいる
「お主は・・・・・・・」
「始めましてかな?それとも久しぶり?まぁどちらもかなぁ?」
「・・・・・・・・・・・黒花」
「アハッ分かってもらって嬉しいよ、魔王」
魔王―――ユーリは少し眉を顰めたがすぐハッとした顔になりその人物の名前をよんだ
「ヒィィイ!こいつは悪魔だぁ!!」
二人がやり取りをしている暇も巨大骸骨は海賊を襲っていた
船長らしき男がその手に居る
「悪魔・・・・?その正義の文字っ・・・見忘れたとわ言わせねぇ!」
かかっていた松明から炎がでて、目の前には日本語で『正義』という文字が浮かび上がった
「・・・・・・・・・こいつら前にもユーリに会った事があるのか?」
「いや・・・だから細かい所は目を瞑ってあげて」
何とも素直な意見である
「魔王・・・どうせ海があるだから溺死直前にしちゃえば?」
「・・・・お主には『平和』っと言う文字はないのか?」
「冗談だよv」
こちらはこちらで何やら物騒な会話が流れていた
ウゥ――――――――・・・・
「シマロンの巡視船だ」
「・・・海賊どもよ」
「んぁ?」
「己の行いを極刑をもって償う覚悟を致せ」
「ぅっあぁ?」
「おって沙汰を申し渡す」
体が崩れて行く中少年の方を見ながらニヤリと笑った
「・・・・・・・・・・では・・・・またな我が家臣」
「じゃぁね・・・魔王」
ドサッ
その少年・・・・・黒花は髪は元に、何処か幼さを残した顔立ちに戻った
意識のないユーリの体を支えた
「また・・・・会う日まで」
スゥスゥっと寝息を立てているユーリの額に軽く口付けを落としてから魔術で横抱きにし
唖然としているコンラッドとヴォルフラムの所まで歩いていく
「はい」
すッと腕を差し出せばヴォルフラムがいち早くその腕の中のユーリを奪い去った
「ユーリは僕の婚約者だぞぞ!?気安く触るなっ
そっそれにお前にはコンラッドがいるだろ!?!」
「あはっ僕はであってではないんだよ?フォンビーレフェルト卿ヴォルフラム
それに僕は魔王の片腕と呼ばれる存在だよ?そんな口利いていいのかな?」
クスクスッと笑いながらヴォルフラムを見る
その姿はの面影を残してはいるがまるで別人のよう
「っ・・・」
ドクンッ
「あっ・・・!?」
ドサッ
目を一瞬驚きに見開いたかと思うと急には倒れた
「っ!?おいしっかりしろ!!おい!」
瞼が重い・・・・・・・・
眠たい・・・・・・・・・・
いや・・・・・疲れているのか?
地面に寝ているはずなのにユラユラっと揺れている様だ・・・・・
邪魔しないでよね・・・
誰だ?
僕は君であって君ではない・・・・まぁ黒花と名乗っておくのが無難かな?
黒花・・・・だと?
そう・・・君の魂に刻まれていた力・・・っと言われているものかもしれない
しれない?
僕にも分からないんだよ
でも力か何だか知らねぇが勝手に人の体使ってんじゃねぇよ
良いじゃん。僕と君は裏と表、光と闇みたいなものなんだから
俺が良くねぇ
ふん。今は僕の方が有利だからそう言っても何にも出来ないでしょ?
・・・・貴様っ
「俺を舐めんじゃねぇぞクソ餓鬼!血祭りにしてくれるわっ!!」
ガバッ
「・・・・・・・ってあれ?此処何処だ?」
頭にきて横たわっていた体に渾身の力を入れて起き上がってみると
目の前に広がった風景は暗く狭い何処かの部屋の中だった
「・・・・・・・?」
「あぁ”?あっヴォルフラムとコンラッドじゃん?如何したんだ?」
「・・・・・お前が如何したんだ」
「・・・・・かなり物騒なこと言ってましたよね」
声が聞こえた後ろを向けばコンラッドとヴォルフラムが顔を引きつらせていた
「いやもっっっっのすごく何か頭にきてな」
「っというか・・・ですよね?」
「はぁ?何言ってんだ?」
「ちょっと確認を・・・です」
「はぁ、って言うか此処は何処だ?そしてユーリは如何したんだ?」
キョロキョロっと周りを見ても広いが暗闇の倉庫みたいな所だし
ユーリは眉を顰めてヴォルフラムの膝枕で寝ている
「此処はシマロンの巡回船内の牢屋です」
「・・・・何で牢屋?」
「あなた達は凶悪かつ強力な魔術を披露したのち二人して丸二日眠り続けたんです」
「え。もしかしてまた何か俺やったのか?」
「えぇ海賊達を主に凝らしめたのは陛下ですが、陛下に何かやったのは貴方ですけど」
「何ぃ?・・・・・俺何かやったか?」
「えぇ・・・・まぁちょっと」
ふぅんっと答えれば何やらバッシビシっと横に居るヴォルフから
視線が突き刺さっている・・・・・何か怒られる事やったのか自分っ
「やっ・・・何かヴォルフラムさんまったくと言ってほど覚えてないんですけど
ユーリに何かやったんならすみません」
「ふんっあのはじゃ無かったからな!べっ別に怒ってなんていないぞっ」
うん、確実に怒っているね
その後ユーリが起きてコンラッドがまた説明をした
それにしても本当に何やったんだ俺・・・・・・・・
ユラユラっと揺れる海の上で俺達はどうなるんだ・・・・?