あれからと言うもの・・・
俺の生活になんら変化はなかった
佐助とも(こう呼ぶようになるほど)打ち解けた
ちなみに今まで露骨に避けていた、相手の方はというと


「あ、ーーー!!」
「んあ?」
「何処言ったのかと思ったよ」
にこにこっと笑みを浮かべ、その手には小さいがご立派な重箱
只今の時間は丁度お腹がすく昼休みだ
何の経由かは分からないが、あの後から
佐助は甲斐甲斐しく毎日俺の弁当を用意してくれるようになった
しかもめちゃくちゃ美味い
家事全般が苦手な俺にとっては、有り難い事この上なかったり
それなのに、俺は独り暮らしという大胆なことをしていたので
今までの、昼飯は買ってきたものばかりだから食費に響く響く・・・
始めは悪い気がしていたのだが、回数を重ねることに折角だし美味しく頂戴することに決めた

「Hey!それで?何でここまで打ち解けてるんだお二人さん」
「あ〜・・・まぁ何てか、誤解していた部分があったというか」
「そんな感じ、まぁもう大丈夫だから伊達の旦那〜」
「そうかよ」
やれやれっといった感じに流されて
本当のことは言えないのだが、それはそれでイラっと頭にきたり
腑に落ちないまま、浅利の酒蒸しを口に運ぶ
わ〜うめぇ〜
微妙にホウレン草のおひたしとかレバニラとか何かを意図するようなメニューだが
そこはあえて気づかないように箸を動かしていく
分かったら分かったで後が少しだけ怖いから

まぁ実のところ、あれから定期的に俺が血をあげているという現状が成り立っていた
うん・・・始めは俺が言い出したことだから、今更嫌だとも言いにくいし
そんなに嫌じゃないことも自分の中にあったりもするのだが
そのへんは佐助には言わない、何故かは簡単
恥ずかしいから
どうにもこうにも、俺は佐助に友人以上の感情を持ってしまっている・・・かもしれない
曖昧なのは相手が男。しかも人間じゃないしね
そんな小さなことすぐに吹き飛んでいきそうな本能を理性で抑えるほうが大変だ何て
もっと口が裂けても言えない事だ

「・・・・・」
「ん?どううしたの」
「・・・いや、今日も美味しいなぁと思って」
「ありがとう」
にこりと極上の笑みで逸る心臓を如何にかしてくれ
料理のお陰で着々と血液の量が増えている身体には循環を止める方法が無くて
せめてもの意地で紅くなるなんてことはなっていないが
果たして
血気盛んな本能が、いつ佐助を襲うか
気が気でないのが重要
そのためには、吸血行為なんておてのものむしろ頼みたい


そんな少し変わった人間の俺と現代の吸血鬼との物語は始まったばかり